Translate

2012/08/08

スティール・ホイールズ / ローリングストーンズ

聴いた場所〔電車(通勤)〕

平成元年の夏にリリースされた、ストーンズ初の「CD」アルバム。
日本における発売は9月、アルバムチャートで最高5位にまでなったヒット作です。
ストーンズにとって激動だったのか、カラッポだったのかよくわからない「80年代」を締めくくる作品。
キースとの冷戦を首尾よく終結したミックジャガーは、床屋のカットモデル風に髪を刈り込み、来たるべき新時代へ意欲満々です。

このアルバム、日本のファンにとってはスペシャルな1枚になりました。
リリース&全米ツアーの時点で沸騰していた「初来日、あるゾ」というウワサは、ストーンズの90年代キックオフでもある“Steel Wheels Japan Tour 1990”という形で現実のものに。
ライブ開幕曲「#10 Continental Drift」を聴くと今でもワサワサと血が騒ぐ人も多いのではないでしょうか。
私にとっては、初めてリアルタイムで入手したストーンズアルバム。ダサいジャケ写と歌詞カードを眺めながら、延々とCDラジカセで聴き込んでました。
看板曲「#2 Mixed Emotions」のほか「#1 Sad Sad Sad」「#7 Rock And A Hard Place」などストーンズらしくない“早さとキレ”があるナンバーが多いので、高校生で初心者の私でも入りやすい作品だったと思います。
そして歳取った今聴くと素晴らしいのが、キースリチャーズの2曲「#8 Can't Be Seen」「#12 Slipping Away」。シブくてルーズで貫禄に満ちた、チョイ悪(極悪?)な魅力にあふれています。

一番好きなストーンズのアルバムは?と聞かれて、スティールホイールズを挙げる人はまずいないでしょう。
それどころか「ダーティワーク」以降のアルバムは、そうした好き嫌いのテーブルに並べられる事すらないのかも...。
でも、初来日のワクワクソワソワを体感した世代にとって、このアルバムは掛けがえのない思い出。ポカリスエットを飲みながら聴きたい1枚です。