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2012/10/02

ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト / ティム・リース

聴いた場所〔電車(通勤)〕

2005年5月リリースのカバーアルバム。バックバンドのサックス担当・ティムリースが、本隊・ストーンズのナンバーをJazz風にアレンジした全12曲です。
ただし「#12 Belleli」は本人のオリジナル曲との事。
基本構成としては、ミックジャガーの歌声部分をティム氏がサックスでなぞるというもの。
睡魔に襲われる局面も多々ありましたが、それはJazzに全く造詣なしの私の問題。さすがは”中の人”の作品だけあって各ナンバーのヤマ場&ツボはキッチリ押さえてるという印象です。
特に「#6 Waiting On A Friend」「#10 Ruby Tuesday」など、ストーンズのスロー曲とJazzの相性はすこぶる良いのではないでしょうか。
ストーンズ本隊からは「目立てねぇんなら出ねぇよ」精神のミックジャガー以外、3メンバーが友情参戦しています。
中でもキースリチャーズは存在感抜群。
自軍の女番長・シェリルクロウを引き連れて「#3 Slipping Away」を貫禄たっぷりにプレイ、アバズレ賛歌「#9 Honky Tonk Women」では主宰者・ティム氏のJazz路線を完全無視、お馴染みのギターリフを「オレ流」の通常運転で披露してます。
そしてもう一人のオレ流はグラミー賞総取りのノラジョーンズ。
「#5 Wild Horses」のボーカルとして単独特別参戦した最強歌姫は、アコースティックな原曲をオレ流ならぬ「ノラ流」に超解釈してアルバムの看板曲に昇華させています。
だったら全曲ノラ姫に唄わせりゃ良かったんじゃねぇか?の言葉は主宰者・ティムのために呑み込んでおくべきでしょう。

“Licks World Tour 2002~2003”の空き時間にやってたジャムセッションがキッカケだというこの「The Rolling Stones Project 」。
よく分からんけど何だかアートっぽいジャケ写は、絵が得意なロンウッドによるものです。
ともすれば「内輪受け」で終わるお遊びを、文字どおりの「プロジェクト」として世に出したティムリース氏。そのバイタリティ、人脈、アイディアは、ストーンズ/Jazz双方のファンから賞賛されるべきものだと思います。

ちなみにティム氏の前任者はブラウンシュガーでお馴染みのボビーキーズ。
この初代サックス担当は“ツアーの空き時間”に何をしてたか?…。巡業先ホテルの10階で、不良番長・キースと「TV落とし大会」を開催してました。
まあ、これはこれで有意義かつロックンロールな時間活用術と言えるでしょう。
我々サラリーマンにとっても「時間の使い方」は永遠の命題。私としては、プロジェクトリーダー・ティム氏のみを仕事の指標にしてみよう思いました。