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2012/11/26

座頭市物語 #22「父と子の詩」

録画した日〔2012/9/7:時代劇専門チャンネル〕

1人でポツンと遊んでるチビッ子と意気投合した座頭市。
この子の父親・田村高廣は元エリート役人ながら今は粗暴な用心棒稼業。父子の間には哀しく深い隔たりがありました。
寡黙で不器用な父と引っ込み思案なチビッ子は、なかなか分かり合う事ができません。
そんな切なくもどかしい父子愛を描く今回#22は「ハッピーエンド待ち」の鉄板シチュエーションと言えるでしょう。

時代劇ならではの予定調和に身を委ねる昭和の茶の間。
しかしその父子愛成就モードを、ジュンとホタルの父親・田中邦衛が「やるなら今しかねぇ」と根こそぎ引っ掻き回します。
口八丁手八丁、強きを助け弱きを挫くC調ヒールの王道を踏襲する青大将は、変幻自在の顔芸でブラウン管を独占。
メインゲスト・田村高廣の口数が少ないのをいいことに、ストーリーを青大将ブルーに染め上げてしまいます。
座頭市との相性もなかなか良い模様。120%格下扱いで蹂躙される姿は、エンタメ系インチキヒールの理想像です。
そんな青大将の全開っぷりに気を使ったのか、ラストのメッタ斬りに座頭市は不参加。かなり食われ気味になっちゃった田村高廣に幕引きを託して役者渡世の均衡を図ります。
もちろん座頭市&チビッ子のほのぼの交流も安定のクオリティだったのですが、劇中劇後ともどもやっぱり印象に残ったのは青大将のハイテンション猛ラッシュ。
「子役に食われる」というフレーズの逆を行って田村高廣も含めて丸呑みしてしまった田中邦衛。青大将どころじゃないアナコンダ級の面白パワーでした。