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2012/11/18

タイガーマスク #33「世紀の対決」

録画した日〔2012/11/16:TOKYOMX〕

南米の血まみれの星・スターアポロンとの一騎討ちを控える伊達タイガー。
日プロ道場でピリピリムードの最終調整を行います。
大一番にかける愛弟子の気持ちなど一切汲み取らず「おぅ、やってるか」的に陣中見舞いをした師匠の馬場さん。
完全に戦闘モードだった伊達タイガーは、そんな馬場さんをやおら担ぎ上げ新必殺技・ウルトラタイガードロップのムーブを仕掛けます。
209cmの馬場さんにウルトラタイガードロップを掛ける事で、スターアポロン対策の最終チェックをしたかったらしいのですが…。
「やめろ、困る」とリックフレアーばりの命乞いをする馬場さん。
伊達タイガーはチキン状態の馬場さんを「めんどくせぇ」と、ロードウォリアーズのダブルインパクト方式で無責任に後方へほっぽり投げてしまいます。
まぁどれもこれも全部馬場さんの責任ではあるのですが、問題はほっぽり投げた先にNo2・猪木と番頭格・吉村道明がいた事。
格を重んじる日プロの前線基地・道場おいて「下のモン」の前で御大に恥をかかせた伊達タイガー。後で理不尽マッチメイクなどの陰湿制裁を受けないか心配です。
一方のスターアポロンは、ウルトラタイガードロップ封じの衝撃特訓を報道陣に公開します。
短剣を四方に差した樽に直立して、弟・ウルサスとのスパーリングを敢行。両足を肩に担ぎ上げるウルトラタイガードロップの防御法は両足を開かない事という、何ともインテリジェンスな理にかなった伊達タイガー対策です。
迎えたビッグマッチ(60分3本勝負)は、ガチガチのストロングスタイル。2000の技を持つと豪語するスターアポロンが伊達タイガーを終始圧倒します。
安定した下半身と柔軟性で多彩な技巧を披露するスターアポロン、その姿は神様・カール・ゴッチを彷彿とさせます。
ウルトラタイガードロップを完全に封じられ敗色濃厚の伊達タイガー。そこにセコンドの馬場さんが「風吹けば桶屋が儲かるって知ってるか?」と全く意味の分からないアドバイスを伝達します。
お花畑か宇宙人か、昭和の茶の間をドン引きさせる馬場さんの妄言ですが、伊達タイガーはこれを超解釈で把握。起死回生のウルトラタイガードロップで南米の血まみれの星を撃沈しました。
馬場さんのクソ助言はともかく、正攻法の名勝負となった伊達タイガーvsアポロンの3本勝負。
プロレスの基本は体幹の強さであり、それなくして芸術殺法は生まれないという、昭和の茶の間への明解な啓蒙マッチでもありました。
そして、全力で闘った者同士はやがて友情で結ばれるという、男の星座・梶原イズムの真骨頂も描き出す、プロレスアニメとしては100点満点の良回だったと言えるでしょう。