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2013/02/09

警視-K #6「息子はシロ」

録画した日〔2013/1/26:日本映画専門チャンネル〕

ラブホテル入口でアベックを襲う強盗殺人事件が発生。
ガッツと子分2人は、例によって本庁エリート警視・金子研三の指示をすっ飛ばして独自捜査を開始します。 
これといった異常性もトリックも無さそうな、いわゆる普通の強殺案件。百戦錬磨のガッツ軍団にとってはイージーモードと言えるでしょう。
ガッツは現場練り歩き&準レギュラー・川谷拓三からのウラ情報Getのいつものルーチンで、徐々にホシを絞り込んでいきました。
犯人像が浮かぶにつれ何故かモヤモヤを隠せないのが今宿署の捜査課長・北見治一。
古今東西の刑事ドラマで必ず配置される、温厚でうだつが上がらないけど実はスルドイ、署内中立ポジションの内勤オヤジキャラです。
この内勤オヤジのモヤモヤの理由は、どうやら自分の息子が犯人じゃないかという疑念。
息子を信じたい気持ちはヤマヤマながら、どうにも我慢できずガッツに相談を投げ掛けます。
相談されたガッツの講じた手段は、何と息子を任意同行で尋問をするというもの。
しかも取調官を実の父親・内勤オヤジにやらせるという荒治療です。
もちろんガッツは全て計算ずく。息子のアリバイを洗い出し「シロ」を確定させた上で仕掛けた親子喧嘩アングルでした。
取り調べという特異環境でお互いのモヤモヤをぶつけ合った父子。言いたい事を言って疑惑も晴れて、その絆はより深いものと相成りました。
気分晴れ晴れの内勤オヤジは名奉行・ガッツに感謝。
それに答えたガッツは「あれだな、男の子ってのはイイよな」と、自らの木偶の坊トンパチ愛娘・奥村真粧美へのアイロニーとも取れる問題発言をブチ上げます。
本題の捜査では、ブサイクな方の子分・谷崎弘一をオカマに見立てた囮捜査を敢行。
まんまと引っ掛かった真犯人に必殺投げ手錠を炸裂させ、今宿署内抗争的にもチームガッツの勝利となりました。
これで完全「シロ」となった内勤オヤジと息子は、勝利の凱歌とばかりに居酒屋のカウンターで祝杯です。
不器用なオヤジと息子が迎えたハッピーエンド。
もちろんそんな予定調和を不躾なオヤジと娘が黙って見過ごす訳がありません。
別の意味で不器用な超良血天然女優・奥村真粧美は、ガッツの本拠トレーラーハウスで「免許とっていい?」「タバコ吸いすぎ」などなど相変わらずの無気力棒読みセリフを昭和の茶の間に投下します。
挙げ句の果ては禁断のビール飲酒パフォーマンス。
当時18歳、21世紀平成の世では永久追放モノの仰天シナリオです。
この放送から10年後の平成2年には、”パンツを履いていた”ばっかりに制作費5億円のキリンビール超大作CM「ラ党の人々」を1日でお蔵入りに葬ったガッツ。
今思えばこの大損害は、トンパチ愛娘による昭和と平成を跨いだ壮大な因果応報だったのかもしれません。
今回のロケ地は新宿歌舞伎町。相変わらず騒々しい東口通りや、ゆとり世代には理解不能であろう「トルコ」の看板など昭和55年の味わい深い風景が満載でした。
なお今更ながらガッツ所属・今宿署の「今宿」は、新宿へのオマージュということでよろしいのでしょうか…。