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2013/10/23

タイガーマスク #80「新星誕生す」

録画した日〔2013/10/11:TOKYOMX〕

日プロ入団後、前座戦線で鍛錬を積んでいるケン高岡。
道場での伊達タイガーとの稽古中に、御大・馬場さんから緊急召集がかかりました。
御大からペーペー前座レスラーへ突然の勅旨。
すわ、海賊男ガスパー的なポンコツギミック強制か、はたまた食い扶持減らし系無期限海外武者修行の赤紙か…。
どうせロクな話じゃないというプロレス界の暗黙の空気は、そのペーペーを笑顔と拍手で迎えたBI砲により良い意味で覆されました。
ペーペーを待っていたのは、馬場さんからの「メイン抜擢」という特大プレゼント。
ちびっ子ハウスに暮らす妹・よう子へ活躍を届けたいケン高岡にとって、TV中継のあるトップ戦線への進出は日プロ入団以来の悲願でした。
日プロとしては伊達タイガー、坂口征二に次ぐ待望の若き新星誕生。
ここは名伯楽・馬場さんの大英断と言いたいところですが、よくよく考えればケンはかつて「イエローデビル」として全米を席巻した完成品の逆輸入レスラー。
むしろそんな超凄玉を前座で燻らせていた日プロの育成システム、年功序列型のヒエラルキーを徹底的に叩き直す必要があるのではないでしょうか。
一方、直弟子であるケンのステップアップに何故か浮かない顔の伊達タイガー。
これは自分が食われちまうという不安感からではなく、メジャーデビューする事によってケンが虎の穴の標的になってしまうという懸念によるものでした。
伊達タイガーお得意のネガティブシンキングはケンの晴れの日でも通常運転です。
また伊達タイガーが抱える懸念がもう一つ。
ちびっこハウスのクソガキどもが、タイガーマスクの正体を探り出しやがりました。
まあこれはクソガキが必ず通る道。ましてや「側近」のケンが来園するんだから至極当然の成り行きでしょう。
このガキどもも、40年後の今はグレート・ムタの正体も“知らない”真っ当なプロレスマニアになっている事と思われます。
待望のメイン戦を迎えたケンは、力道山時代から脈々と受け継がれるジャパニーズスタイルのロングガウンで登場。
対戦相手はハンサムジョニーとかいう手頃な噛ませ犬です。
もちろん試合は全国中継。ちびっこハウスでは妹・よう子がブラウン管にカブリ付きで応援します。
しかしそんなご祝儀試合でケンが繰り出した技は、馬場さんのココナッツクラッシュや「アントニオ猪木を思わせるボディシザース」「闘将吉村張りのローリングクラッチ」「坂口征二に劣らぬネックハンギング」などなど先輩レスラーのパクリばかり。
鬼軍曹・山本小鉄が見ていたら、ケンの顔が変形するまでブン殴ったはずです。
最後は師匠・伊達タイガーのウルトラタイガードロップ(簡易版)でカウントスリー。
本人としては先輩方への感謝の気持ちの現れだったようですが、これはギミックの侵害とも言えるレベルの許すまじパクリ劇場。
鳴り物入りの超新星にとって、プロレス村のルール徹底とフィニッシュホールド確立が喫緊の課題と言えるでしょう。
とにもかくにもトップレスラーの仲間入りを果たしたケン高岡は、伊達タイガー運転のスポーツカーで夜の街に繰り出します。
しかし「横浜でラーメン食いたい」「やっぱりエビフライ」「ちびっ子ハウスで先輩の正体バラすわ」などとちょっと調子に乗りすぎてお説教を食らってしまいました。
トンパチの片鱗をみせたケンとあくまで生真面目キャラを崩さない伊達タイガー。ザ・ファンクスっぽい師弟コンビの誕生かも知れません。
今後は2人で虎の穴のラスボスと対峙するのか?
まあ、鬼籍に佇む大門大吾の事もたまには思い出してやって下さい。