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2014/04/14

プロレスクラシック(58)世界最強タッグ決定リーグ戦リマッチ

録画した日〔2013/3/4:日テレG+〕

ジョー樋口の脆弱性により不透明決着に終わった1982年世界最強タッグ決定リーグ戦
その翌年の1983年、優勝チームのファンクスと同率2位の馬場&鶴田、ハンセン&ブロディによる3組総当り2回戦の「リマッチ」が開催されました。
大ボラアナ・倉持さんによると、このリマッチをブチ上げたのは前年優勝チームのファンクス。NWA会長・ボブガイゲルに持ち掛け、賞金10万ドルの超豪華リーグ戦を実現させたそうです。
これはいかにもファンクスらしい正義漢あふれるエピソード。
ただネタ元がファンクス原理主義の倉持アナということで、話半分、いや100分の1程度に聞いておいた方が良いでしょう。
4月20日東京体育館で行われたのはファンクスvsハンセン&ブロディの1回戦。昨年12月蔵前決戦の文字どおりのリマッチです。
日本デビューから1年経った超ミラクルパワーコンビは、テキサスの大先輩をブン投げたりブッ叩いたり好き放題に暴れ回ります。
クライマックスはお約束の羽交い締めツープラトンラリアット。
12月蔵前ではここでジョー樋口がサンドイッチの具になって試合をぶっ壊したんですが、今回はテリーが美しき兄弟愛の自己犠牲でサンドイッチに。
このダメージで混乱した(?)テリーは、試合権を勘違いして痛恨の暴走リングアウト負けを喫してしまいました。
東京大会2日後の札幌で組まれたリマッチ2回戦はファンクスの反則勝ち。
それにつけてもこの総当り2回戦システムはウマい発想。「公式戦」と銘打つことでプレミア感を損なわずにビッグカードを打ちまくる事ができます。
そんなこんなで“本場所”よりも濃密で盛況だったかもしれないリマッチ。
最後は超ミラクルパワーコンビが4.28京都大会で馬場&鶴田を撃沈、栄光の10万ドルハリボテ小切手(換金方法不明)をゲットしました。
2人はこの年の最強タッグから翌年4月の初代PWFタッグ王座決定戦までブッコ抜き、日本マット史上最強タッグの座を不動のものとします。

昭和58年エキサイトシリーズに“初来日”したザ・グレート・カブキ。列島各地で大カブキフィーバーを巻き起こしました。
シリーズ最終戦となった3.3後楽園大会には一般マスコミも多数詰めかけたとの事です。
無名の泡沫外人・マイクデービスを瞬殺して有終の美を飾った東洋の神秘。
すっかりカブキシンパの倉持アナによると、本場アメリカマットでは「向こう1年間のスケジュールがぎっしり詰まっている」という人気っぷり。この日をもって日本のファンとはしばしのお別れとなりました(ただし、この後あっさり9月に再来日)。
ちなみに今は飯田橋のお店に飲みに行けば大概お会いできるみたいです。

弟・エディにそっくりのヘクターゲレロ。4.20東京体育館で炎の稲妻・大仁田厚のNWAインターJrベルトに挑戦しました。
迎え撃つ大仁田からすれば兄・チャボとの因縁リマッチへ向けた1つのステップ。
難なく防衛を果たしたのですが、その後とんでもない災難に見舞われてしまいます。
試合後の乱闘をひととおりこなした大仁田はベルトを巻いてちょっと一息。
”この後”を知っている者からするとここから先は見たくない、ここまで時間を巻き戻したい気持ち。
「またぐなよ」じゃなく「飛び降りるなよ」と伝えたい、なんとも切ない最後のベルト姿です。
ファンに軽くアピールして、エプロンから軽くポンと飛び降りた大仁田。
そんなありきたりのルーチンが「左膝蓋骨粉砕骨折」という再起不能とほぼイコールの悲劇を生んでしまいました。
タダ事でない空気を察知した実況席には「骨が飛び出ている」という倉持アナのレポートが飛び込みます。
その後大仁田が突っ走るジェットコースター人生は説明不要。
この日が何事もなく終わっていたら、電流爆破も地雷爆破もくどめもサンボもパンディータも世に出る事はなかったか…。
あれは日本プロレス史のどデカい分岐点だったんだと人間万事塞翁が馬的に考えるしかない、あまりにも気の毒な25歳ジュニア王者のアクシデントでした。

この年の2月、よりによって本拠地のセントルイスでPWF王座から転落してしまった美獣・ハーリーレイス。
もちろんベルトを強奪したのは宿敵・馬場さんです。
倉持アナ言うところの「13年間戦い続けている」名人2人。2ヶ月後の東京体育館で因縁のリマッチを敢行します。
13年間で1度も成功したことがない美獣のコーナーポスト攻撃。
もちろんこの日も馬場さんがマッハのスピードで捕獲、超高角度でマットに叩き付けられてしまいました。
通常は最高峰NWA戦で繰り出されるプレミアム伝統芸。PWF王座に対する美獣流の敬意と受け止めるべきでしょう。
試合は馬場さんが両リン防衛。
まあ結果はともかく馬場さんとレイスの相性はいつでも抜群です。
必殺の16文キックをこんなに気持ちよく受けてくれたら、1試合10発ぐらい打ちたくなるんじゃないでしょうか。

ファンクスからハンセン&ブロディへの主権継承でますます磐石の布陣となった全日外国人レスラー。
ここから夏までは、功労者・テリーファンクが最後の(?)ご奉公をしてくれます。
リマッチ開催の4月は、猪木の世界統一構想・IWGPが本番稼働目前だった頃(5月開幕)。
佐山タイガー、革命戦士・長州等も擁してイケイケの新日。
しかしライバル馬場さんからすれば「この2人」抜きじゃ世界もなにもねぇだろ、と余裕の迎撃体制だったのかもしれません。