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2014/05/02

プロレスクラシック(103)'86世界最強タッグ決定リーグ戦Part1

録画した日〔2013/1/7:日テレG+〕

昭和61年11月の海外遠征から最強タッグ前半戦までの雑多な7試合。
なぜかリックマーテル色が強いラインナップです。
NWAジムクロケットJrのお膝元・ノースカロライナ州シャーロッテにお呼ばれした全日軍団。
愛弟子・輪島を従えた馬場さんはよそ行きモードのパープルコーデ。この色使いは後にUWFインター・高田延彦へ受け継がれます。
NWAが用意した対戦相手はゲーリーロイヤル&アメリカンイーグル。どんな検索エンジンを駆使しても引っ掛からない地元の雑魚2匹です。
なんともしょっぱいクロケット流おもてなしではありますが、デビュー直後の輪島にとっては師匠を前にしたほど良い実力発表会となったのかもしれません。
10分ほどのんびり時間を掛けて雑魚コンビを一蹴した馬場さんと輪島。師匠の指示にひたすら忠実な大横綱の姿が印象的でした。
ただこの2人、このまま最強タッグへなだれ込むということはなく、馬場さんは三沢タイガーと凸凹師弟タッグを結成することになります(輪島は最終戦のみ特別参加)。

ちなみに看板「鶴龍コンビ」も今回の遠征に同行。
アートプレッツ&グリムリーパーとかいう、1日中ググっても見つけられない泡沫ローカルコンビをチャッチャと完封しています。

倉持アナが「危険ムードいっぱい」と懸念したとおり、やっぱりこの年も大乱闘が勃発しちゃった最強タッグ入場式。
毎度毎度のお約束にロードブレアースPWF会長は慣れたもの。
大暴れのハンセンやゴディ、カーンを向こうに「ドモ、アリガト、ゴザイマス」と軽く開会宣言を読み上げました。
そんな明るく楽しく激しいイベントに馴染めないのは、最強タッグ2度目の参戦となる革命戦士・長州力。
リング下より遠い目で大乱闘を見つめるその姿から、埋めることのできないイデオロギーの違いが伝わってきます。

開幕後楽園大会のメインはファンクスvsリックマーテル&トムジンクの公式戦。
1回目の出戻りとなったテリーファンクは、激情系アイドルの縛りが解け本来の試合巧者ぶりをいかんなく発揮。
ヒール的なムーブで客席の“マーテル”コールを誘発し、AWAフレッシュコンビの売り出しをサポートします。
前年10月にはフレアーと世紀の統一戦を繰り広げたマーテルですが、この最強タッグでは玉砕前提の若手ポジション。
翌S62年からWWEに拠点を移す(こちらも出戻り)伊達男にとって、実に身の丈に合ったリスタートとなりました。

北の聖地・札幌中島体育センターで実現した馬場&三沢タイガーvs鶴田&天龍。
28年後の観点で見ると、馬場さんの3大フォロワーが一堂に会した歴史的ファミリー決戦という意味合いになります。
試合は当時まだまだ下っ端だった三沢タイガーのチャレンジマッチ的な様相に。鶴龍の完勝劇はあくまで順当な結果といえるでしょう。
それにしても、ファミリー4人のうち3人が今この世にいないとは…。時の流れは残酷すぎます。

2年連続優勝を狙うハンセン&デビアス。
大一番と謳われた札幌決戦では、ちょっとした暴走の隙を突かれ長州&谷津にリングアウト負けを喫してしまいました。
なお、不沈艦ハンセンの歴代ベストパートナーはブロディではなくデビアスだというのが定説。私もいちおう異論ありません。
大金持ち“ミリオンダラーマン”としてWWE殿堂入りまで果たしたテッドデビアス。
しかし私としては、ファンク一家のナイスガイからテキサスの荒くれヒールにギミックチェンジしたこの頃のイメージが今でも強く残っています。

恒例の「夢の対決」兵庫大会でよせばいいのに実現した長州vsマーテル。
プロレスファンからすると「どうすんだよ、コレ」的な不安だらけのマッチメイクでしたが、熱くもなく寒くもなくもちろんこれといって面白くもなく無事に長州がAWA超えを果たしました。

マーテルは、ド派手な柄パンで耳障りな奇声を上げるイケメンの対極・サムソン冬木とも異次元の遭遇。
冬木の相方は公私とも仲良しの三沢タイガーでした。
それにしてもこれはプロレスクラシック製作者の嗜好なのか、執拗なマーテル押しに見てる側はお腹いっぱいです。

土曜PM7時という超ゴールデンタイムに放送されていた昭和61年の全日ですが、私は中学生で何かと忙しかったのかこの頃の思い出がほとんどありません。
今見ると、外人も日本人もファンも実況席もみんな手堅くまとまっている感じ。
そういえばこの年の優勝は結局どのチームだったんでしょう...。