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2014/10/23

プロレスクラシック(107)'86世界最強タッグ決定リーグ戦Part2

録画した日〔2013/9/9:日テレG+〕

'86世界最強タッグの終盤6試合。
最終武道館大会では、直接対決の4チーム全てに優勝の可能性が残る大混戦が展開されました。
全日らしくないカオスを形成する「4強」は以下のとおり。
  • 10点:ハンセン&デビアス(前年優勝チーム)
  • 10点:鶴田&天龍
  • 09点:長州&谷津
  • 09点:ザ・ファンクス
武道館決戦ではまずトップ並走「10点」の2チームがセミで激突しました。
どっちかが勝って「12点」になると必然的に「9点」同士のメイン戦は消化試合に…。
だとすればここはどう考えても両リン(どっちも0点)決着、良くてフルタイムドロー(1点ずつ)。トトカルチョが成立しないトホホな公式戦となります。
かくしてサクッと両リン決着の0点試合となったセミファイナル。結局こっちこそが「消化試合」。
ちょっとヒネリを凝らしたアングルにしてみたら何だかよく分からなくなっちゃった感。そこが返って生真面目な全日らしい、実に微笑ましい優勝戦線です。

そんなこんなのお膳立てにより勝った方が優勝となるメイン戦。
全日参戦2年目の長州組は勝てば初優勝。
一方「ファンクスの灯は消してはならない!」と倉持アナが過剰支援する老雄ファンクスは史上最多4度目の頂点を目指します。
なんとなく長州組が「11点」で差し切りそうな気配だった最終決戦はまさかの両リン決着0点試合。靭帯断裂の谷津がブレーキとなってしまったようです。
最大4つ巴まであり得た混戦もこれでいよいよ最終章。
ハンセン&デビアスと鶴龍コンビの「10点組」による優勝決定エクストラマッチへ突入です。

セミのやり直しという、盛り上がるんだかどうだか微妙なオーラス。
時間外勤務の1日2試合とはいえメインを挟んできっちりインタバルを取った両軍。馬場イズム溢れる健全な労使関係が伺えます。
時間無制限の完全決着戦は、連覇を狙ったハンセン組が最後の最後でウエスタンラリアート場外誤爆という大ポカ。
スルッとリングアウト勝ちを拾った鶴龍コンビが2年ぶり2度目の優勝を飾りました。

12.12武道館では、元横綱・輪島大士の国内第2戦もマッチメイクされました。
師匠・馬場さんをパートナーにリックマーテル&トムジンクとのタッグ戦。
インドの狂虎・TJシンとのデビュー戦とは180度色合いが違う、実に安全性の高いクリーンマッチです。
倉持アナが「技を期待」とブチ上げたとおり、この日のポイントは“テクニック”。
マーテル&ジンクの爽やか優等生ファイトと馬場さんのサポートのおかげもあって、輪島は厳しい稽古の成果を次々と披露します。
フィニッシュはもちろん「黄金の左」。
猛稽古で編み出した殺戮兵器・ゴールデンアームボンバーを、相撲甚句、じゃなくトムジンクに豪快にブチかまして会心の首都東京デビューを飾りました。

武道館優勝戦の6日前、12.6高松大会では4強が最後の鍔迫り合いを繰り広げていました。
セミは10月のインタータッグ戦で馬場さんから「100点満点」の大絶賛を受けた鶴龍コンビvs長州&谷津。
8度目の対決にしていよいよ名勝負数え唄認定をしたくなる、極上の30分フルタイムドロー決着です。

メインはハンセン&デビアスvsファンクス。なんと4人とも名門ウエストテキサス大学(West Texas A&M University)出身です。
この4人の他にもダスティローデスや超獣ブロディを輩出したプロレス界のハーバード。日本マットにおいてもその影響力は計り知れません。
ちなみにこの高松大会は実況生中継。鶴龍と長州組のフルタイム大熱闘によりメイン開始時点で時間は押せ押せ。
若林アナの「放送時間残り5分」連呼にイヤな予感が漂ったものの、テキサス4人衆は4分弱の暴走決着というフレキシブルな対応をみせてくれました(ハンセン組のリングアウト勝ち)。

#103から続きの放送となった'86最強タッグ。しかし2回に分けるほどのクオリティかとなると疑問です。
遊びなし全力疾走の長州軍やオーラ消滅の出戻りファンクスに、暮れの祭典の華を求めてはいけなかったということではないでしょうか。